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純文学

「三四郎」夏目漱石

漱石の有名な青春小説。平凡な小説のようで平凡じゃない。美しい情景描写と魅力的な登場人物が織りなす人間模様。唯一無二の世界観。私が純文学へ興味を持つきっかけとなった小説です。物語を通じて、何も起きなかったようでそれぞれの登場人物の心に残る形の...
純文学

「蒲団」田山花袋

作者自身の衝撃の懺悔録!なんて正直な人なんだろう。これはもはや事件です。文章一つ一つに命が刻まれているような。これを世に出した覚悟に恐れ入ります。 女弟子への禁断の恋 物語は恋の懺悔から始まります。妻帯者で3人の子があり世間体もある文学...
純文学

「岬の風景」井伏鱒二

初夏の港町。麦畑と赤い月。夕立。空にかかる虹。二人の少女。20ページ程の短編に込められた絵画のような世界。そこはかとない不安と好奇心。この不思議な感覚をもうちょっと味わっていたい、そんな気持ちになる作品です。 二人の少女との出会い 学生...
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「春琴抄」谷崎潤一郎

周りから幸せだと思われたい?そんな恋愛がしたい?そんなくだらない承認欲求を粉々にぶち壊すかのような春琴と佐助の世界観。覚悟が決まった恐ろしいくらいの純愛に世間体などは太刀打ちできない。 他人に理解される必要などない、二人の世界。突き詰めた...
純文学

「燃ゆる頬」堀辰雄

まるでガラス細工のような美しさと切なさ。「思春期の性」というテーマを扱っているにも関わらず、ここまで爽やかで清らかなのは堀辰雄ならでは。 透き通るような繊細な文章で紡がれる少年時代の淡い恋。 美しい少年に魅せられた、一人の少年の物語 ...
純文学

「曇天」永井荷風

秋の寂しい夕暮れ時。濁った重苦しい雰囲気にしか出せない深い染み入るような美しさ。憂鬱にしか宿らない強烈な色気。曇天の寂しい秋の夕方に、コーヒーを片手にくすんだ街を見ながらゆったりと味わいたい、そんな作品です。 寂しさにある美しさ。もののあ...
純文学

「お目出たき人」武者小路実篤

究極の片思い小説。片思いの経過を赤裸々に記した作者の初期の小説です。 真面目でまっすぐな人の純粋すぎる片思い 一度も話したことがない人に恋焦がれる 近所に住んでいた可憐な女の子。一度も言葉を交わしたことはありませんが、見かけるたびに段...
純文学

「檸檬」梶井基次郎

梶井基次郎の「檸檬」を最初に読んだのは10代の学生の頃でした。その時は正直、「え?意味がよくわからない…」と小説の意図していることがよくわかりませんでした。でも社会人になってしばらくしてこの小説を読み返したとき、学生の頃とは違った視点でこの...
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